【COLUMN】Vol.1|八ヶ岳の西麓「本多園芸」のトマト(第2話)

八ヶ岳トマト

ビニールハウスの中に入ると、まず目に飛び込んでくるのは天井までぐんぐんと育った背の高いトマトの枝。それはもう圧巻でした。日本中トマトを探して回っている、ピッツァ世界チャンピオンの大西ですら、なかなか見ないと口にしていたほど。1シーズン育てると約10mほど伸びるのだとか。ちなみに1シーズンは9ヶ月〜10ヶ月。残りの2〜3ヶ月で植え替えをしてコンディションを整えたりするのだとか。

salvatore_chefs

あまりの背の高さ、そしてビニールハウス内の温度の感覚、曇り空の中なのに光が満ちているハウス内の様子を五感で吸収する二人のシェフ。XEX ATAGO GREEN HILLS の三島シェフ(写真奥)とXEX DAIKANYAMAの坂田シェフ(写真手前)。

この日はあいにくの曇り空、標高800m以上ということもあり、外は防寒着がないと寒いほど。ただ、ひと度ビニールハウスに入れば汗ばむほどの暖かさ。冬でも25度〜30度になるそうです。また晴天率も高く、トマトの光合成を考えると最適なコンディション。二酸化炭素が足りなくなると補給し、肥料は全て点滴で与えて管理されていらっしゃいます。

山根さんと澤木さん

真剣な表情でミニトマトの熟成を見極めるXEXのイタリアン部門リーダーの山根シェフ(写真奥)とは裏腹に、愛おしそうに熟成したミニトマトを見つめるXEX 日本橋の澤木シェフ(写真手前)。

 

土耕ではなくポット栽培にすることで、肥料や水を全て点滴で与えることができるため、肥料を与える容量をきちんと管理できます。天気の悪い日は水量を落とすなどコントロールできるのがこの水耕栽培の最大のメリットなんだとか。

本多園芸のトマト

このポット栽培が本多さんの自慢の栽培方法。土耕とは違ったコントロールを可能にしてくれる。

本多さんは言います。この八ヶ岳のトマトの魅力はこれからの時期が一番だと。これから冬にかけてはどんどん気温が下がっていきます。昼と夜の寒暖差があるからこそ、トマトの味がグンと上がるのだとか。「年中通して瑞々しく美味しいトマトができるのはもちろんだけれど、やはり12月が一番美味しいですよ。」先行して一度視察に来ている山根はその言葉に頷いていました。「前回来た時よりも美味しくなっている」と。

本多さん

シェフたちの質問に一つ一つ丁寧に答えてくれる本多さん。出荷するトマトの収穫するその目は真剣そのものです。

独立したポットで栽培し、潅水はコンピューター制御されており、肥料もコントロールしている。標高800m以上で真夏でも栽培ができる。昼夜の寒暖差、太陽の光も強く美味しいトマトができるんですね。これ以上XEXそしてSALVATOREグループにとって素晴らしい条件はないのではないでしょうか。

大西

もしかすると日本で一番ミニトマトを探していて、一番使用しているのではないか?と思われるSALVATOREのシェフたち。中でも真剣に話を聞いている大西ピッツァイオーロは熊本や北海道などの産地はもちろん日本中駆け巡り美味しいトマトを常に探している。

さて、農園の視察は終わりました。いよいよここからがシェフの腕の見せ所です。
実際に畑を見て、空気を感じ、トマトの味も理解できました。果たしてシェフたちはこのミニトマトをどのようにお料理へと昇華させていくのでしょうか。

つづく